現代の様々な問題を考察するために必要が数学的思考法です!
2016/07/29 09:27
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、数学的なものの見方や考え方を単に紹介したものではありません。現代の世の中には様々な社会問題が存在しており、それらの問題を一つ一つ考えていく際に、数学的に思考法や数学的な論理性が非常に役立つということをたくさんの例示をもって示してくれています。同時に、こうした社会問題に取り組む前に、現代の数学が抱えている問題や課題をも考察しようという点で非常に画期的な書と言えるでしょう。多くの人に、ぜひとも読んでいただきたい良書です。
オレだって高校の時は微積分の問題がスラスラと解けたのだ
2005/11/08 10:46
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投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の芳沢先生は東京理科大の教授で,数年前に話題になった「分数ができない大学生 21世紀の日本が危ない」の執筆者の一人である。そして本書は,題名だけがひとり歩きしてしまった同書の原点に立ち戻り,「数学的なものの考え方の重要性」を懇切丁寧に説いて行こうというものである。
先生によれば,今は「分数ができない大学生」も,それを学習した小学生の頃からできなかったわけではないのだそうだ。習った当初はできていた分数の計算がなぜできなくなるのか。それは,その「計算のやり方」だけを覚えて「その意味するところ」を理解していないから,年月と共に「やり方を忘れてしまう」のだという。
……これ本当だと思う。オレだって高校の時は微積分の問題がスラスラと解けたのだ,でもいつの間にか「やり方」を忘れてしまいもう出来ない。結局,あれは受験のために「やり方」を覚えただけのことだったのだ。やってるときは「理解」してるつもりだったんだがなぁ(笑)。
まぁオレのことは置くとして(をい),この本,我が業界でプログラマあるいはシステム・エンジニアと名乗っているヒト達に是非とも読んでいただきたい。特に第2章「試行錯誤という思考法」。これを読んで我が意を得たりと膝を打つヒトはよし,ピンと来ないヒトには是非とも芳沢先生の挙げる例を熟読していただきたいと強く思う。たのんます。
基礎能力としての数学
2017/04/22 23:22
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投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の数学(算数)教育について、単に計算やテスト問題の開放を覚えるのみで、試行錯誤がないため、本来の目的である論理的思考力の向上につながらない、という。
一時期話題になった「分数のできない大学生」を例に、彼らは分数の計算ができないまま大学生になったのではなく、小学生の頃はできたのに忘れてしまったのであり、それは分数の考え方ではなく、単に計算方法だけを学んだからである、という例は分かりやすかった。本書の主張は、執筆された2005年当時はともかく、現時点では常識的なものと感じる。
ただ、思考力を外部からの教育により育成するのはやはり難しく、できるだけ詰め込み教育をしながら、一定割合の人材が知的好奇心を持ち、思考力を培っていく、というのが現実的なのではないかと思ってしまった。
全体として、あまり目新しさはないが、得られるところもないではない、という感じ。
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投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
評価が高かったので購入したが、自慢話と無駄な話が多く、時間とお金を無駄にした。
この著者の書籍は二度と購入しない。
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これの良いところは数学的な専門用語を使っていないと言うところ。どちらかと言うと、教育に関しての論述が多いかなw非常に読みやすかったです。
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この本は数学的思考の本質や使い方を取り上げている。試行錯誤すること、結果よりもプロセスを重視すること、論理的に組み立てることなどを話の軸として、数学で用いられている考え方が実生活でどう活かされているかがよくわかった。数学から学ぶことはたくさんあるのに、それを見過ごして疎かにするのはもったいないことだなと思った。著者の数学教育に対する不満も満載。
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条件反射的な暗記やプロセスを大事にしない日本の数学教育では説明力や論述力が身に付かないことを筆者は警告している。そしてざっくり言ってしまうと、そういった力の減退は頭を悪くさせる(応用の利かない人間を育てる)、ということである。自分は高校の途中で数学を放棄してしまった人間なので、結構頭が痛くなる内容だった。2008-4-20
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説明力を鍛えるヒント、というよりもエッセイに近いのでは??
要は、公式を暗記させるだけの現在の学校教育を否定して、なぜその公式が出てくるのかを考えさせる教育をしろと主張している。
あとは、文系だからって数学が不要ということはないという話(法政治分野における選挙区割りとか)。
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数学と接する方だけでなく普段数学と疎遠になっている方にも是非読んでいただきたい一冊。数学のおもしろい考察が数多く紹介されており、数式が少ないので非常に読みやすい。この本を読むと数学へのモチベーションが上がる。また、考えることの大切さ、いかに日本の数学教育が良くないかが分かる。
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タイトルは間違ってないと思う。
具体例の寄せ集めではあるけど、ある程度勘が良ければ数学的な思考法がどんなものかは分かるし、為になる話が多い。
ただ少しばかり説得力がなく、鼻につく文章を書く学者だ。彼には文学的思考法が必要だと思った。
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論理的に説明することにおいて、数学的な考えが大事であることに気づいたので、本書を読んでみた。
自分の目的にかなっていた部分が3章と4章であったので、最初の方はつまらなかったけど、4章の「点より線、線より面から説明しよう」の部分は目から鱗が落ちた。著者は「ものごとはより高い次元から説明するとよい」と指摘している。
どういうことかといえば、女性を口説くときに「君の瞳は輝いていて素敵だね」とだけ言うのは、0次元的な言い方。これに「君の服装は女性として持っている魅力を引き出している感じでうっとりしちゃうよ」と付け加えて言うのは1次元の口説き方。ここに別の軸の内面的な部分を入れて「苦しくてもやさしい心をいつも忘れない君のハートが好きなんだ」と付け加えると2次元の口説き方。さらに別の時間軸を付け加えて、「この何年間というもの、君みたいな女性と会いたいとずっと思い続けてきたんだ」と」付け加えて言えば、3次元の口説き方。
このように面を意識してしゃべることで、説得力ある話ができるというのは、僕にとって非常にためになる。
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このようにきちんとした人が現場にいても、ゆとり教育は断行されてしまった。「勤勉なバカ」に権限を持たせない仕組みを真剣に考えないといよいよこの国は危ないのかもしれない。
100マス計算に象徴される反復訓練と数学能力は関係無いという事がきちんとかかれていて痛快。インドの数学力は20までの九九じゃなくて、証明をきちんと教えていることだ、と。
数学的というにとどまらず、科学的思考法の概要が上手にまとまっている。
仕分け人であったり、TVの討論をする人だったり、大勢に影響を与えたり権限を持っている人にはすべて抑えておいて欲しい事柄である。
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[ 内容 ]
もっと試行錯誤を。
本当に考えるためのレッスン。
[ 目次 ]
第1章 間違いだらけの数学観(なぜ分数計算ができないのか? 若者はなぜ「地図の説明」が苦手になったのか ほか)
第2章 試行錯誤という思考法(できなくても考えておくことが大切 「運」から「戦略」へ ほか)
第3章 「数学的思考」のヒント(解決のためには「要因の個数」に留意せよ 目標から「お出迎え」してみよう ほか)
第4章 「論理的な説明」の鍵(「論理」からの説明、「データ」からの説明 「仮定から結論を導く」ことと「全体のバランス」 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「数学的思考力」とはなんだろうか。論理的に順を追って考えていくことだろうか。副題にあるように、「数学的思考ができれば説明力がつく」というのが著者の主張だ。数学は「考えること」を学ぶものであり、試行錯誤しなければ学べない。それについて、自分も共感する部分があった。何度も問題を解くうちに、最初はよくわからなかった部分がピーンとつながる瞬間がある。それが、実際に理解したということだろう。
本書は、そんな数学的思考力を身につけるため、数学を学ぶ上で必要なことが、コラム風にまとめてある。1つのコラムは4~8ページ程度で読みやすい。著者は東京理科大学理学部教授であり、専門は数学・数学教育というだけあって、日本の数学教育への批判が多い。私は将来、教育の道に進みたいと考えているので、参考になった。
気になったのは、インドの数学教育についての記述。インドが2ケタ×2ケタの掛け算を暗記して、あんなに数学ができるようになるのには、私も疑問を感じていた。むしろ、覚えるのは効率が悪いと思っていたが、実はインドでは証明を大事にする教育がなされているという。それがインドの発展につながっている。それなのに、日本はまだマークシート型のセンター試験や、やり方を重視した教育をしている。私も教員になったら、考え方 をしっかりと伝えられるようになろう、と思った。
「説明力を鍛えるヒント」というよりは教育批判が目立つ。攻撃的な主張に圧倒されるが、考えさせられる1冊だ。
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教育論が5割、数学的な物事の捉え方が3割、論理的な説明力のヒント2割といった印象。難しい数式や定理がないので、完全に文系の僕でもサクッと読めました。
現代の日本の数学力の低下が、様々な問題に対して悩んだり試行錯誤する能力を削いでいるので、数学教育のあり方を変えるべきだと主張する。また、物事を数学的に捉えることで新しく見える世界、理解しやすくなる事例、簡潔に説明できる思考法などを紹介している。
・数学科60(50?)校
・パー→チョキ→グー